はじめに
錯視、トリックイラスト、マジックアート、錯覚アート、だまし絵など。いろいろな呼び方がありますが、それらは一体どういうものなのでしょうか?非常に特殊な美術表現?いえいえ、実はとっても身近なものなのです。我々が目にする絵画やイラストレーション、そのほとんどが錯視やトリックイラストと言っても差しつかえありません。まずは下の画像を見て下さい。
左右に描かれた星、左が暗く、右が明るく見えます。しかしこれは実は全く同一の色の濃さです。背景のグラデーションの影響で色が違うと「錯覚」してしまうのです。
次にこれは遠近法を使った錯視です。通常、脳は「手前の物は大きく見え、遠くの方は小さく見えるはずだ」と解釈します。ところがこの絵の場合、三台が全て同じ大きさに描かれているため、手前が小さく奥が大きいと認識してしまうのです。目から入った情報と、脳内での解釈を利用した錯視のトリックです。特殊なようですが、絵画やイラストにはよくこの遠近法が用いられています。
このようにイラストや絵画は、人間の視覚の性質や造型の約束事を利用し、そこに無いもの、現実ではないものを「あるように」錯覚させているのです。これは人間の視覚や知覚が進化によって得た高度な能力のバグとも考えられます。ちょっと不思議ですね。
このおまけたらふく舎のサイトでは、これらの一般的技法から一歩すすめ、さらに不思議な錯視、トリックイラスト、マジックアート、錯覚アート、だまし絵について御案内していこうと思います。
それでは不可思議なビジュアルアートをお楽しみください。